高草木裕子

高草木 裕子 HIROKO TAKAKUSAKI

  私はあらゆるものの連鎖する有り様の表現として多角形が無数に連なる絵画を制作している。有機的な泡のような図像は、ミクロとマクロの視点をあわせ持ち、細胞のようであると同時に時として宇宙構造のようにも見える。
  自己表現としての絵画を超えて大地や自然を取り込みたいと、それまで描いていた抽象的な形象を取り払って一定方向の筆の動きの繰り返しだけで描いた作品が転機となった。ほぼ単色の絵の具の濃淡とわずかな色の違いから水面のように見える画面になった。水面や光の差し込んだ水底には、ゆらゆらと網のようなかたちができる。私の画面にも絵の具の重なりで、網のようなものがうまれていた。
  見廻すと辺りにはいろいろな編み目がある。葉脈、血管、毛細血管。地面のひび割れも編み目のようになる。布は縦横に交差する糸の網である。紙は繊維が絡まってできる。絡まり繋がることで物は物として存在する。 線描で多角形をつなげて描くと、一辺の傾きが隣り合うかたちに影響する。単純な小さなかたちの集積は有機的な構造になっていく。
  連鎖する世界、その中の小さな自己を確認したい。おのずから発現・生成する始原の存在としての自然に近づき、世界の本質の再現となることを目指している。

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1963年 千葉県生まれ
1986年より個展・グループ展多数

1987
「コンテンポラリ・アート・エキスポTOKYO ’87」 奨励賞
1991
「第20回 現代日本美術展」(東京都美術館)
2002
「Peace & Harmony(WAH Center、ニューヨーク)
「Art Scholarship 2001 現代美術賞 清水敏男審査員部門」(東京)
2005
「西湖芸術博覧会」(浙江省世界貿易中心、杭州、中国)
2007
「メルボルン日本芸術祭–21世紀日本美術の現実」(王立博覧会ビル展示場、オーストラリア)メルボルン21世紀日本文化振興芸術賞受賞
「横浜日仏芸術祭2007 創造者たちのエデン」(横浜大桟橋ホール)美のミステール特別賞受賞
「International Arts Festival」(クアラルンプール、マレーシア)
2008
「Festival d’art Franco-Japonais」(ブロワ、フランス)
2009
「いのちを見つめる」(~’11)(ノースギャラリー、埼玉)
2012
「いのちをみつめて」(~’13)(ノースギャラリー、埼玉)
2013~
どこかでお会いしましたね(うらわ美術館、埼玉会館、他、埼玉)
2015~19
さいたまスーパーアリーナ 夏休みスペシャルワークショップ 講師
2015
「アートアイランズTOKYO国際現代美術展」(大島町、東京、~’17、’19)
2016
「ドイツから戻ってきたTEGAMI 5年目展」(鴨江アートセンター、静岡)
「国土海洋環境国際美術大展」(ソウル市立慶熙宮美術館、韓国)
「かがわ・山なみ芸術祭 [まんのう町エリア]」(旧琴南中学校、香川)
2017
「日本現代アートとの対話」(中国文化センター、東京)
2017, 18
「世界に一冊だけの本・展」(函館市地域交流まちづくりセンター、他、北海道)
2018
「公共空間と美術-埼玉会館エスプラナード展」(埼玉会館エスプラナード、埼玉)
「画廊企画4人展 comodo 2018Ⅳ」(アートギャラリーこはく、埼玉)
「かがわ・山なみ芸術祭2018 AYAGAWA」(綾上いきいきセンター、香川)

その他、京二画廊(東京)、なびす画廊(東京)、Gアートギャラリー(東京)、ギャラリー宏地(東京)、埼玉県立近代美術館、Gallery Onetwentyeight(N.Y. U.S.A)、masuii R.D.R(埼玉)、Gallery青藍(東京)、カフェ&ギャラリー香文木(埼玉) 、クレアこうのす(埼玉) 、いりや画廊(東京)、アートギャラリー絵の具箱(東京)等で個展

 

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